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佐原聡甫 先生

​アメリカ合衆国 ミシガン大学

浜松医科大学よりミシガン大学へ2019年9月から2021年8月末まで留学していた佐原聡甫といいます。この度、文章を書く機会を頂いたので、留学先の研究室の様子や渡米中楽しんだことなどをご報告させていただきます。ミシガン州はアメリカ中西部、五大湖に面したところにあります。自動車企業が多く、FordやGMの名前は車に詳しい方以外でも聞いたことがあるのではないでしょうか。また、トヨタ自動車をはじめとする自動車関連企業に勤める日本人も多く住んでいます。

 皆さんは留学と聞くとどのようにお考えになるでしょうか。私の場合の留学のきっかけは耳鼻咽喉科へ入局したときの峯田教授からの「留学はしたいか?」一言からはじまったのかと思います。私は幼少期に親の仕事のため海外で生活したことがあり、現地に住むことでしか感じられない空気・雰囲気に圧倒されたという鮮明な記憶がありました。そんな体験をもう一度体験したい、さらに子どもにも体験してもらいたいという気持ちがありました。臨床留学はハードルが高く、留学するなら基礎研究かなとなんとなく考えていたところ、今回の留学に至りました。

 ミシガン大学歯学部はアメリカ国内でNo.1と言われており、その中のNor研究室へ唾液腺癌の基礎研究のため留学しました。ラボはブラジル人のボス(Dr. Nor)とアメリカ人、中国人のスタッフ(Kristy and Zhang)、ドイツ人のPhDステューデント(Alex)で構成されておりアメリカにいるのにアメリカ人は一人しかいないという国際色豊かなラボです。そのラボで唾液腺癌の一つである腺様嚢胞癌の癌幹細胞を標的とした治療研究を行っていました。過去にも浜松医科大学耳鼻咽喉科から複数人の留学者がおり、当初は血管新生阻害をターゲットとしていて、現在はがん幹細胞の研究をメインテーマとして取り組んでいるラボです。毎週金曜日の朝はベーグルなどおやつを持ち込んでのラボミーティングを行い和気あいあいとラボメンバーと話す機会がありました。また、2週間に1度の火曜日は個人ごとの研究の進捗具合をボスと相談する個人面談の機会があり、研究初心者で留学しましたが、その都度方針や結果の解釈を相談できたので非常に助かりました。他のラボの話などを聞くとボスと話す機会が殆どないラボもあるようで、その点は忙しい中時間を作り、しっかりとした面談時間を設けるなどラボのメンバーを大切にしてくれているDr. Norの人柄が出ているのかと思います。今回の留学ではCovid-19パンデミックによるラボ3ヶ月の閉鎖やその後のラボの引っ越しなど普通では体験できないことがいくつかありました。

留学中の生活環境は今後留学を考えておられる先生方は気になると思われます。留学先のミシガン州アナーバー市は非常に犯罪率が低く、よくジョーク交じりで言われるのは「発砲事件があるだけでニュースになる程平和な街」でした(シカゴなどはその程度ではニュースにならないそうです)。実際に2年間で3回ニュースになりました。家は幸いにも大学寮を借りることができ、同年代の子どもが多く、ドアを開けたら公園みたいな子育てには非常に良い環境でした。妻ももう一度アナーバーで生活をしたいと言うほど気に入ったようで、良い研究室があれば今後留学先を考えている方にもおすすめできる留学先です。

Covid-19パンデミックにより、もともと計画していた旅行などにはいけなくなってしまったのですが、帰国直前にいろいろ規制が緩んだので、いくつか旅行に行ってきました。ミシガンで仲良くなった日本人の方が、ボストンに異動され、そこを訪ねに行ったり、ミシガン州立公園で、古くから有名な観光地であるマキナック島へ行ったり、ラスベガスでキャンピングカーを借りてグランドキャニオン国立公園を回ったりなど、アメリカ国内の旅行も楽しんできました。

今回の留学は基礎研究も初めてのことでしたが、楽しく進められたと思いますし、異国の生活もいろいろなトラブルも乗り越えながら楽しめたと思います。もし、今後留学を迷っている方がいらっしゃいましたら、行くことをおすすめいたします。

留学体験記:佐原聡甫先生: 当校について
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世界で最も大きいと言われるスタジアム
アメフト観戦で大いに盛り上がります

留学体験記:佐原聡甫先生: 画像
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ラボメンバー:
写真右端がボスのDr.Nor

留学体験記:佐原聡甫先生: 画像
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大学寮は同世代の子供がいっぱい!!
扉を開ければすぐ遊び場
子連れにはとてもいい環境でした

留学体験記:佐原聡甫先生: 画像
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